トップページ
事業概要
テーマ
テーマ
参加機関等
目標と事業展開構想
事業推進体制
研究成果の事業化促進活動
研究成果の事業化促進活動
お問い合わせ
 
   
   
 

鉛フリー、フラックスフリー、低温接合で
環境調和型の接合技術を開発

   
 
 
 

地方独立行政法人 大阪市立工業研究所
加工技術研究部研究主幹
兼 先進構造材料研究室長
福角 真男

       
 
金属ナノ粒子ペーストの開発に取り組む福角氏に聞く!

■金属ナノ粒子ペーストの開発には、どのように取り組んでいるのですか?

研究テーマ1で作製した金属ナノ粒子を有機溶媒に混ぜ、ペースト状の接合材料を作っています。配線形成に用いるナノ粒子の開発では、導電性が重要ですが、接合に用いる場合は、導電性とともに接合力も問われます。そのため、配線用のナノ粒子と接合用のナノ粒子は、最終的には違った性質を持つものになっていくかもしれません。現在は、互いに研究成果を提供し合い、接合用途に適した金属ナノ粒子ペーストの開発に取り組んでいます。


■接合に関する研究は、以前から進めていたのですか?

もともと、大きな金属の固まり(バルク)の接合については研究していました。バルク材とナノ粒子では物性が全く異なるため、考え方も変えなければいけません。しかも純粋な金属ではなく、表面に有機物を被覆しているため異なる特性が出てきます。そういうところが興味深い研究ですね。また、バルクの金属でも、近年はナノレベルで接合界面を評価する段階に入っていたため、現在もその評価技術・分析技術を活かして取り組んでいます。


■現在もはんだによる接合技術はありますが、この接合技術には、どのような特徴があるのですか?

環境に優しい鉛フリー&フラックスフリー、そして低温接合という3点が大きな特徴。世界的に鉛フリーはんだへの移行が進んでいますが、この接合方法においても鉛は使用していません。また、はんだ接合では相手材の表面酸化膜を取り除くため、環境に害があるフラックスという薬品を使用していました。この接合材料では、ナノ粒子の周りについている有機物質にフラックスの役割を担わせているため、環境に優しい接合材料となっています。
そして低温接合を実現しているため、耐熱性の低い基板などにも使用することができます。


これまでの成果と今後の目標を教えてください。

まずは銀ナノ粒子ペーストを課題として研究してきました。従来のはんだが約200℃で接合していたので、目標は200℃以下での低温接合としており、現在は250℃での接合によって十分な強度が得られるようになっています。銀のバルクの融点は970℃ですが、金属ナノ粒子を用いることでここまで下げることができました。
今後はさらに銅ナノ粒子ペーストについても研究していきたいと考えています。銅は安価でマイグレーションも起こしにくいことから接合材料に適していますが、酸化しやすいという問題点があります。それをいかに防ぐかというところが、目下の目標です。

 
   
Copyright (C) 2008 都市エリア産学官連携促進事業(大阪中央エリア). All Rights Reserved.